少し前に、大学の後輩と飲んだ。最近いろいろ悩んでいるので少し話を聞いて欲しい、ということで、同じく仕事で悩んでいる別の後輩を連れて来てくれた。彼女達はどちらも社会人4年目になったところだ。
「悩み」というのは、他人からどう見えようと、その最中にいる本人にとっては深刻なものなので、まとめてしまうのは彼女達に失礼かもしれないのだが、断片的に聞いた限りではかなり共通するところがあると感じたので、敢えてまとめさせてもらうと、
- 自分の仕事が本当に人の役に立っているのか、お客様に喜ばれているのか、実感が持てない。
- 「ホントは今のままじゃダメだろう」と思っているのだが、自分には、周りの人を説得するだけの技術や能力がないので、自分の意見を主張するのにイマイチ自信が持てない。だから、主張しても周りに理解してもらえない(あるいは、主張することを躊躇ってしまう)
- なので、もっと顧客や消費者に近い仕事に転職しようと思っている。
実は、これと非常に似た話を、過去に会社の同僚達(正確に言えば「元同僚達」)から何度も聞いたことがある。更にもっと正直に言うと、私自身もかなり似た悩みを彼女達と同じ年頃の時に持っていたので、その気持ちはとてもよく分かるような気がした。私自身が、その時その悩みをどう超えたかは、超えられない壁は、自分の前には現れない。というエントリで書いたことがある。読み返すと青臭くて恥ずかしいが、今になって思えば、私は自分の仕事に対するフィードバックを
欲していたのだと思う。
自分、お客さん、会社、これらの関わりの中で、どのように自分のやるべき仕事を定義してゆけば良いのだろう?
こんなことを考えながら、Jim Collinsの"Good to Great"を読んでいたら、もしかしたら、これは企業や組織にとってだけでなく、個人のキャリアを考える上でも当てはまるのでは?と思う点が幾つもあった。
- First Who, Then What (誰と一緒にやるのかが最初。何をするかはその次)
- Confront the Brutal Facts (自分が「勝てない土俵」はどこかを知る)
- Hedgehog Concept
- What you’re deeply passionate about (自分が心から情熱を感じられるものは何か)
- What you can be the best in the world at (自分が世界で一番になれるものは何か)
- What drives your economic engine (自分の強みを経済的な価値に変換する仕事とは何か)
#日本語は私の意訳です。
「戦略とは、『何をするか』ではなく『何をやらないか』を定義することである」とはよく言ったものだが、この中で一番難しいと思うのは、「勝てない土俵」について明確にすることなんじゃないかと思う。誰だって、もしかしたら自分はすごいことができるんじゃないか、ひょっとしたら自分の会社は世界一 (The best in the world)になれるんじゃないかと思っているからこそ、今日も頑張れるのだろうから。
そういう意味では、ものすごく苦手なことがあるとか、自覚している弱点があるとか、今の会社・仕事とは決定的に合わないと思っている人の方が、もしかしたら、Greatになるための道筋は見えやすいかもしれない。Jim Collinsもこう言っている。"Good is the enermy of great." (超訳すれば、「イイ人なんだけどね~」という感じ?!)
「自分と社会と仕事と」については、もう少し考えを深めたら、また書こうと思う。
余談ですが、Good to Great(日本語訳は「ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則」)について。私はこの本、すごく好きです。Amazon.comのビジネス書部門でも4位(2006年7月6日現在)と、未だに売れに売れまくっているだけのことはある。梅田望夫さんも書いておられるように、Jim Collinsの働き方は、ある種の人々(私を含む)にとって「理想的ビジネスライフスタイル」だと思います。内容はもちろん、本の書かれたプロセスや文章の巧みさなどを見るにつけ、「こういうやり方でこういう仕事ができたら素晴らしいな…」と思うのです。
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