私自身はソフトウェアの人なのに、ブログではソフトウェア業界についてきちんとまとめたことがなかったことに気が付いた。。。なので、遠大なテーマも追いつつ、まずは足許を固めよう、ということで、ソフトウェア業界概況。
Software Magazineの"The 2005 Software 500"という調査によると、ソフトウェア&サービス業界の売上高トップはIBMである。しかし以前書いたように(Big Blueはどこへ行くのか)IBMはレディメイドのパッケージソフトウェアよりもカスタムメイドのソリューション提供型ビジネスのほうが主であるので、パッケージソフトウェアの売上高で世界一は(ランキングでは2位だが)Microsoftということになる。
このランキングは、3位がEDS、4位がCSC、5位がAccenture、6位がhpと、いわゆるITコンサル・SIerが上位に並んでおり、パッケージソフトウェアがメインでmicrosoftに次ぐ会社は7位まで登場しない。それがOracleである。8位はHitachiで9位がSAP。10位がCapgeminiである。
業務アプリケーション市場の二大プレイヤーであるOracle, SAP二社の売上高構成比やラインナップ、戦略の違いを見ていったら面白そう。業務アプリケーション市場の展望については以前予想したことがある(課題意識を整理する)ので、検証も兼ねて、まずOracleについて書く。
2006年度、Oracleの売上高は約$14 billionで、22%伸びている(前年度比)。内訳としては、ソフトウェアが8割、サービスが2割。成長率は、サービスよりもソフトウェアの方が高い。
もう少し詳しくソフトウェアの内訳を見ていくと、コア製品であるDB・ミドルウェアの方が絶対的な割合は高い(ソフトウェア全体の69%)が、成長率はそれほど高くはなく(前年度比109%)、アプリケーション、しかも新規ライセンスでなく、アップデート・サポートの伸びが高いことが分かる(前年度比175%)。
従って、Oracleの全般的な傾向としては、プラットフォームであるDB製品が売上に占める割合が高いが、製品としては成熟してきており、成長はDBの補完製品であるアプリケーションが担っている。新規ライセンスよりもアップデート・サポートの伸びが高いことから、アプリケーションラインナップの統合度・総合力をアピールすることにより、既存顧客に対するクロスセル・囲い込みの強化を図る戦略が裏にあることが想像できる。
Oracleと言えば、有名なのは、積極的な敵対的買収と、多数のアプリケーションベンダ(SiebelやSalesforce.com, Business Objectなど)を輩出していることである。多数のベンチャー企業を輩出し、かつそれが幾つか大成功を収めたことから、Oracleの製品開発・コンサルティング担当者には優秀な人材が集まっているのではないかと思う。
ちなみに、業務アプリケーションの分野では、ある業界・業務に特化した製品を持つベンダが大手に買収されたり、大手からスピンアウトするケースが非常に多い。
まず、スピンアウトに関してだが、半導体業界では「フェアチルドレン」、つまりFairchildからIntel,
Intelから更にスピンアウト。。。と子・孫が生まれていったのが有名だが、同様に、OracleからSiebel、SiebelからePiphany
(確か)、ePiphanyからSugarCRMと、どんどん新しい会社が生まれている。
また、買収の方は、AがBを買収し、CがAを買収、DがCを。。。と、合従連衡のトレンドは今後も続きそうだ。「確かePiphanyってSiebelからスピンアウトだった
よな」と思ってさっき検索したら、ePiphanyはSSA Globalに買収されており、更にSSA GlobalはInforに買収されていた。ちなみに、スピンアウトした企業が元の会社に買収されることも
ある。まさにSiebelがそうだ。
会社同志がどんどんくっ付いて大きくなる一方、常にスピンアウトして新しい会社が生まれ続けている。これは、業務アプリケーションに限らず、(シリコンバレーの?)イノ
ベーションサイクルの特徴かも知れない。
ちなみに、会社そのものだけでなく、そこで働く人材の方もグルグル回り続けている。シリコンバレーにいた頃、大手に会社を売却して、その利益で創業
者は再び次の会社を立ち上げて…というサイクルに突入している例を幾つか見たことがある。(ちゃんと統計を取ったことはないが、一つ二つではないので、珍しい事象ではないのでは?と思っている。)



(※データは全て同社が公開しているIR情報による。)
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